DS検定リテラシーレベルの出題範囲である203個のスキル(DS協会制定)
【DS6】2変数以上の関数における偏微分の計算方法を理解しており、勾配を求めることができる
偏微分
解説
偏微分とは、多変数関数において、一つの変数に注目し、他の変数を一定値と仮定して微分を行う操作です。
例えば、関数 \(f(x, y)\) の偏微分は次のように定義されます:
\[
\frac{\partial f}{\partial x} = \lim_{h \to 0} \frac{f(x + h, y) – f(x, y)}{h}, \quad
\frac{\partial f}{\partial y} = \lim_{h \to 0} \frac{f(x, y + h) – f(x, y)}{h}
\]
具体例
関数 \(f(x, y) = x^2 + xy + y^2\) の \(x\) に関する偏微分を求めます:
\[
\frac{\partial f}{\partial x} = 2x + y
\]
\(y\) に関する偏微分は:
\[
\frac{\partial f}{\partial y} = x + 2y
\]
偏導関数
解説
偏導関数とは、ある変数に関する偏微分の結果として得られる関数を指します。
偏導関数は、関数が特定の変数についてどのように変化するかを表します。
具体例
関数 \(f(x, y) = x^2 + xy + y^2\) の偏導関数は:
\[
\frac{\partial f}{\partial x} = 2x + y, \quad \frac{\partial f}{\partial y} = x + 2y
\]
2変数以上の関数における偏微分の計算方法
解説
多変数関数の偏微分を計算する際、注目する変数以外を一定値とみなし、通常の微分を行います。
例えば、関数 \(f(x, y, z)\) における偏微分は次のように計算されます:
\[
\frac{\partial f}{\partial x} = \text{\(x\) を変数として微分}, \quad
\frac{\partial f}{\partial y} = \text{\(y\) を変数として微分}, \quad
\frac{\partial f}{\partial z} = \text{\(z\) を変数として微分}
\]
具体例
関数 \(f(x, y, z) = x^2y + yz + z^2\) の偏微分を計算します:
\[
\frac{\partial f}{\partial x} = 2xy, \quad \frac{\partial f}{\partial y} = x^2 + z, \quad \frac{\partial f}{\partial z} = y + 2z
\]
勾配
解説
勾配とは、多変数関数の各変数に関する偏微分をベクトルとしてまとめたものです。
関数 \(f(x_1, x_2, \ldots, x_n)\) の勾配は次のように表されます:
\[
\nabla f = \begin{bmatrix}
\frac{\partial f}{\partial x_1} \\
\frac{\partial f}{\partial x_2} \\
\vdots \\
\frac{\partial f}{\partial x_n}
\end{bmatrix}
\]
勾配は、関数が最も急激に増加する方向を指します。
具体例
関数 \(f(x, y) = x^2 + xy + y^2\) の勾配を求めます:
\[
\nabla f = \begin{bmatrix}
\frac{\partial f}{\partial x} \\
\frac{\partial f}{\partial y}
\end{bmatrix} = \begin{bmatrix}
2x + y \\
x + 2y
\end{bmatrix}
\]
勾配ベクトル
解説
勾配ベクトルとは、勾配を具体的な値として表したもので、関数の変化率を示す方向を持つベクトルです。
勾配ベクトルは、特定の点での偏微分の値を含みます。
具体例
関数 \(f(x, y) = x^2 + xy + y^2\) の点 \((x, y) = (1, 2)\) における勾配ベクトルを求めます:
\[
\nabla f = \begin{bmatrix}
2x + y \\
x + 2y
\end{bmatrix} = \begin{bmatrix}
2(1) + 2 \\
1 + 2(2)
\end{bmatrix} = \begin{bmatrix}
4 \\
5
\end{bmatrix}
\]
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